「修正ファイルのピックアップ、漏れがないか毎回不安……」 「ディレクトリ構造を保ったままファイルをコピーするのに時間がかかる」 「納品ファイルリストを作るのが面倒くさい!」
Web制作者にとって、納品前の「差分ファイル作成」は、地味ながらも神経を使う、ミスが許されない重労働です。特に大規模なサイトや、Gitでの管理が難しい案件(FTP納品など)では、この作業だけで数時間を浪費してしまうことも。
そんな悩みを一発で解決してくれるのが、今回ご紹介する「scone Diff」です。
私自身、このツールに出会ってから納品作業のストレスが激減しました。今回は、Web制作者の必須ツールとも言える「scone Diff」の使い方と、プロ版(有料)にするべき理由について詳しく解説します。
Web制作の救世主「scone Diff」とは?

scone Diff(スコーン・ディフ)は、指定した日時以降に更新されたファイルを抽出し、元のディレクトリ構造を保持したまま別フォルダにコピーしてくれるアプリケーションです。
- 公式サイト: scone Diff - scone tools
- 対応OS: Windows / macOS
- 価格: 無料(Pro版は 980円前後 ※ストアによる)
なぜこのツールが必要なのか?
手動で更新ファイルを探してコピーすると、以下のリスクが常に付きまといます。
- ファイルの取りこぼし: 「あの画像も修正したんだった!」というヒューマンエラー。
- 階層の間違い:
css/style.cssを置くべき場所を間違えるなど。 - 不要なファイルの混入:
.DS_Storeやテスト用ファイルが含まれてしまう。
scone Diffを使えば、これらの作業を自動化・機械化できるため、正確かつ爆速で納品セットを作ることができます。
3ステップで完了!scone Diffの基本的な使い方
使い方は驚くほどシンプルです。直感的なUIなので、初めての方でも迷うことはありません。
1. 制作フォルダをドラッグ&ドロップ
まず、「参照ディレクトリ指定」のエリアに、Webサイトのデータが入っているルートフォルダをドラッグ&ドロップします。

2. 抽出したい日時を指定(From)
次に、「日時指定」の部分で、「いつからの変更分を抽出するか」を設定します。 例えば、「先週の金曜日にプレビュー出しをして、それ以降の修正分を納品したい」場合は、金曜日の日付や時間を指定します。

特定のファイルをドロップして、そのファイルの更新日時を基準にすることも可能です。
3. 差分検索&抽出実行
「差分検索」ボタンをクリックすると、条件に合致するファイルが一覧で表示されます。 問題なければ、出力先フォルダを指定して「抽出」ボタンをクリック。

これだけで、ディレクトリ構造を維持した納品データの完成です! さらに、「ファイルリスト」ボタンを押せば、納品ファイルのパス一覧もテキストやクリップボードに出力できるため、納品書の作成も一瞬で終わります。
無料版と有料版(Pro)の違い:課金する価値はある?
scone Diffには無料版と、約980円(買い切り)の「Pro版」があります。 結論から言うと、仕事で使うなら迷わずPro版を買うべきです。
Pro版だけの強力な機能
-
除外設定(正規表現・拡張子フィルタ)
- Web制作では
node_modulesフォルダや.scssファイル、.gitディレクトリなど、「納品には含めたくないファイル」がたくさんあります。 - Pro版ならこれらを自動で除外設定できます。これだけで「誤ってSassファイルを納品してしまった」というミスを防げます。
- Web制作では
-
「〜まで」の日時指定(To)
- 「昨日までの修正分だけ出したい(今日の作業分は混ぜたくない)」という場合に便利です。
-
システムファイルの除外
- Macの
.DS_Storeや WindowsのThumbs.dbなど、クライアントに渡すと嫌がられるゴミファイルを自動でカットしてくれます。
- Macの
たった1000円弱の投資で、納品時の「ヒヤリハット」と「確認の手間」を永久に削減できると考えれば、コストパフォーマンスは最強です。
まとめ:納品作業はツールに任せて安心を手に入れよう
Web制作の現場では、クリエイティブな作業に時間を使いたいもの。 納品ファイルの抽出という「間違えられない単純作業」は、人間がやるべきではありません。
scone Diffの導入メリットまとめ
- 📂 ディレクトリ構造を完璧に維持
- ⏱ 作業時間が数十分→数秒に短縮
- 🚫 取りこぼしや不要ファイルの混入を防止
- 📝 納品ファイルリストも自動生成
まだ使ったことがない方は、まずは無料版から試してみてください。一度使えば、もう手動には戻れなくなるはずです。