「ベンチプレス 70kg なんて、ゴリゴリのマッチョしか上がらない」 「40 代から始めても、そう簡単に伸びないだろう」
そう思っていませんか?
実は、「体重 60kg・40 代・筋トレ歴 1 年」という決して恵まれているとは言えないスペックでも、週 1 回、昼休みの 30 分だけのトレーニングで、ベンチプレス 70kg を 5 回挙げることは可能です。
しかも、不思議なことに「死にものぐるいで努力した感覚がない」のです。
この記事では、私が実際に体験した「努力感なき成長」の正体である『神経適応』について解説し、同じように限られた時間で強くなりたい 40 代ビジネスマンへ向けた「最短ロードマップ」を共有します。
読者の皆さんが安全に強くなるための、必須ギアや怪我対策といった客観的なデータも盛り込みました。
1. 実録:1 年で 40kg→70kg の推移
まず、私のスペックと実績を公開します。
- 年齢:40 代
- 体重:60kg(変化なし)
- 開始時:40kg がやっと
- 現在:70kg × 5 回(換算 MAX 約 80kg)
- 頻度:週 1 回
- 時間:昼休みの 30 分限定
正直、「週 1 回の 30 分」はジムに通う頻度としては最低ラインです。それでも 1 年で+30kg、MAX 重量では体重の 1.3 倍近くまで伸びました。
客観的に見て「中級者」です
「70kg ってすごいの?」と疑問に思うかもしれません。フィットネス業界の一般的な指標と比較してみましょう。
【ベンチプレス重量のレベル目安(体重 60kg の場合)】
| レベル | 体重比 | 挙上重量(MAX) |
|---|---|---|
| 初心者 | 0.8 倍 | 48kg |
| 中級者 | 1.0 ~ 1.2 倍 | 60kg ~ 72kg |
| 上級者 | 1.4 倍以上 | 84kg 以上 |
| エリート | 1.8 倍以上 | 108kg 以上 |
(参考:各種フィットネスサイトの統計データより)
体重 60kg で 70kg(しかも 5 回できるので MAX 換算は約 81kg)というのは、紛れもなく「中級者」の上位に位置します。多くのトレーニーが目指す「自重越え(体重分の重さを上げる)」を遥かにクリアしています。
2. なぜ「努力感」なしに伸びたのか?
ここが本記事の最大のポイントです。なぜ週 1 回・30 分という短時間で、しかも「追い込んだ!」という疲労感なしにここまで伸びたのか。
その正体は、筋肉がデカくなったからではなく、「神経系」が開発されたからです。
「筋肉」ではなく「脳」を鍛える
筋トレ初期〜中期の成長の正体は、実は筋肉の肥大ではありません。脳から筋肉への指令がスムーズになる「神経適応(Neural Adaptation)」がメインです。
- 開始時(40kg):筋肉はあるのに、脳が使いこなせていない。力が分散している。
- 現在(70kg):筋肉量は変わらないが、脳が「100%の出力方法」を学習した。
例えるなら、「エンジンの大きさ(筋肉量)」はそのままで、「ドライバーの腕(神経系)」がプロ級になったようなものです。だから、胸板が厚くなっていなくても、重いものが軽く上がるようになるのです。
「週 1 回・30 分」が逆に良かった
一般的に「筋トレは週 2〜3 回」と言われますが、40 代の社会人にとって、それは諸刃の剣です。
- 疲労が抜けない:関節や神経の疲れが蓄積し、怪我をする。
- 時間が作れない:仕事や家庭との両立でストレスになる。
昼休みの 30 分という「強制的な制限(タイムリミット)」があったことで、ダラダラとセットを重ねて追い込むことができず、結果として「量より質」のトレーニングになりました。これが、回復力の落ちてくる 40 代の身体に完全にマッチしたのです。
3. 明日から真似できる「昼トレ・ロードマップ」
では、具体的にどのような手順で進めればよいのか。私が実践し、理にかなっていると感じる「30 分完結メニュー」を紹介します。
ステップ 1:装備を整える(投資必須!)
40 代のトレーニングで絶対にケチってはいけないのが、怪我予防のためのギア(道具)です。「初心者だからまだ早い」は間違いです。初心者だからこそ、道具に頼って安全を確保する必要があります。
必須:リストラップ(手首の保護)
ベンチプレスで最初に痛くなるのが手首です。手首が反ってしまうと力が逃げるだけでなく、腱鞘炎の原因になります。
- エントリーモデル:FELLY(フェリー)
- 参考価格:1,000 円〜1,500 円
- 特徴:Amazon でベストセラー。安価だが十分な固定力があり、最初の 1 本に最適。
- ステップアップ:ゴールドジム(GOLD'S GYM) リストラップ G3511
- 参考価格:3,500 円〜4,000 円
- 特徴:硬すぎず柔らかすぎず、絶妙なフィット感。中級者が長く使える定番品。
怪我をして通院するコストを考えれば、数千円の投資は安すぎます。必ず用意しましょう。
ステップ 2:30 分限定メニュー構成
所要時間:30 分
- ウォームアップ(10 分)
- 肩甲骨周りの動的ストレッチ(腕回しなど)。
- バーだけ(20kg)で 10 回 → 40kg で 5 回など、重量を段階的に上げる。
- メインセット(15 分)
- 「5 回ギリギリできるかできないか」の重量 × 3 セット。
- インターバルは 3〜5 分しっかり休む(息を整えるより、神経を回復させる)。
- 撤収(5 分)
- 汗を拭いて仕事に戻る。
追い込みすぎないのがコツです。「もう少しやりたい」くらいで終わることで、翌週も万全の状態で挑めます。
4. 40 代が絶対に守るべき「3 つの注意点」
勢いに乗ってくると陥りやすい罠があります。特に 40 代は関節の回復が遅いので、以下の 3 点は心に刻んでください。
① 「肩の違和感」は即中止の合図
ベンチプレスは肩(特に前部)を痛めやすい種目です。
- バーを下ろす位置が高すぎる(首に近い)。
- 脇を開きすぎている(肘が 90 度になっている)。
これらは肩を壊す典型的なフォームです。「脇は 45 度〜60 度に閉じる」「バーは乳首かその少し下に下ろす」を徹底してください。もし違和感が出たら、その日は勇気を持って中止しましょう。
② 重量は「2.5kg 刻み」でいい
急に 5kg も 10kg も増やそうとしないでください。多くのジムには 1.25kg のプレートがあります。左右につければ2.5kgです。 この小さな積み重ねが、1 年後には「+30kg」という大きな成果になります。
③ ウォームアップの手抜き厳禁
昼休みで時間がないからといって、いきなり重い重量を持つのは自殺行為です。身体が温まっていない状態での高重量は、肉離れや関節痛の最短ルートです。時間はなくても、軽い重量でのフォーム確認(神経の準備運動)は省略しないでください。
まとめ:あなたは、まだ強くなれる
「40 代だから」「時間がないから」というのは、成長を諦める理由にはなりません。
むしろ、「時間がないからこそ、効率的な神経系トレーニングができる」とも言えます。
- 週 1 回の 30 分
- 適切なギア(リストラップ)
- 正しいフォーム
これさえあれば、努力感なく、気づいたら「ベンチプレス中級者」の仲間入りです。 次の昼休み、まずはジムの見学か、リストラップのポチりから始めてみませんか?その小さな一歩が、1 年後のたくましい自分を作ります。