働く 2025-12-22

ブラウザ上の全テキストが編集可能に!?Chromeの「document.designMode」が原稿作成に神すぎる

「このLPのキャッチコピー、ちょっと変えたいけどイメージ湧かないな…」 「CMSに入稿する前に、実際のWeb画面でプレビューしながら文章を推敲したい」

そんな悩みを持つWebライター、ディレクター、ブロガーの皆さんに、とっておきの魔法の呪文をお教えします。

拡張機能もツールも不要。今すぐChromeブラウザで試せるその機能の名前は、document.designMode です。

document.designMode とは?

一言で言うと、「見ているWebページ全体を、Wordのように編集可能にする」ブラウザ標準の機能です。

通常、Webページのテキストを書き換えるには、HTMLファイルを編集するか、デベロッパーツールでちまちま要素を探して書き換える必要があります。 しかし、この機能をONにすると、ページ上のテキストをクリックして直接書き換えたり、画像をドラッグ&ドロップで移動したりできるようになります。

まさに「簡易Figma」「リアルタイムCMSプレビュー」のような状態になるのです。

使い方は超簡単(3ステップ)

使い方はたったこれだけです。

  1. 編集したいページを開く
  2. F12キーを押してデベロッパーツールを開く
  3. 「Console」タブに document.designMode = 'on' と入力してEnter

手順1:F12をクリック→Consoleタブをクリック

まずは編集したいページを開き、キーボードのF12キーを押します(Macの方は Cmd + Option + I)。 画面の右側か下にパネルが出てくるので、「Console」というタブをクリックしてください。

Consoleタブを開く

手順2:魔法の呪文を入力

以下のコードをコピーして、Consoleに貼り付け、Enterキーを押してください。

document.designMode = 'on';

designModeを入力

これだけです。何も起きないように見えますが、ページに戻ってみてください。

手順3:テキストを編集してみる

ページ上のテキストをクリックすると、カーソルが表示され、文字を消したり追加したりできるようになっているはずです!

テキストを選択

テキストを編集

テキストだけじゃない!画像も動かせる

驚くべきことに、テキストの編集だけでなく、画像の移動やサイズ変更も可能です。

  • 画像の移動: ドラッグ&ドロップで好きな場所に移動
  • サイズ変更: 画像をクリックして四隅のハンドルを操作(※一部サイトでは制限あり)
  • 削除: 画像を選択してDeleteキー

画像を移動

これにより、「この画像をこっちの段落の下に持ってきたい」といったレイアウトの検証も一瞬で済みます。

実践的な活用シーン

この機能、ただ面白いだけではありません。実務でめちゃくちゃ使えます。

1. LP・セールスレターのコピー微調整

「てにをは」を変えただけで改行位置がどう変わるか、スマホで見た時に見出しが長すぎないか、などをリアルタイム(実際のCSSが当たった状態)で確認できます。

2. 既存記事のリライト案作成

公開済みのブログ記事を見ながら、「ここの表現をこう変えたい」という推敲がその場でできます。Before/Afterの比較検証に最適です。

3. クライアントへの修正提案

「ここをこう直した方が読みやすいですよ」という提案をする際、口で説明するより、ササッと書き換えた画面のスクリーンショットを撮って送る方が100倍伝わります。

⚠️ 重要な注意点:保存はされません

この機能を使う上で最も重要な注意点は、「編集内容は保存されない」ということです。

ブラウザをリロード(再読み込み)すると、全て元通りに消えてしまいます。 あくまで「プレビュー」「下書き」用として使いましょう。

編集結果を残す方法:

  1. スクリーンショットを撮る: 修正指示やイメージ共有用
  2. HTML全体をコピーする: デベロッパーツールの「Elements」タブで <html> タグを右クリックして「Copy outerHTML」を選択すれば、編集後のHTMLを保存できます。
  3. テキストをコピーする: 全選択してWordやメモ帳に貼り付け

【便利技】1クリックで起動する「ブックマークレット」

毎回F12を押してコマンドを入力するのは面倒ですよね。 そこで、1クリックで編集モードのON/OFFを切り替えられるブックマークレットを用意しました。

登録方法

  1. ブラウザのブックマークバーを右クリックして「ページを追加」を選択
  2. 名前に「編集モード」など好きな名前を入力
  3. URL欄に以下のコードを貼り付けて保存
javascript:document.designMode='on';void(0);

これで、編集したいページでこのブックマークをクリックするだけで、即座に編集モードになります。

元に戻したい(OFFにしたい)時用のブックマークはこちら:

javascript:document.designMode='off';void(0);

まとめ

document.designMode は、Web制作やライティングに関わる全ての人におすすめしたい「時短テクニック」です。

  • リアルな見た目で推敲できる
  • 修正指示がスクショで一発で伝わる
  • ツール不要で今すぐ使える

ぜひ、今日からの作業に取り入れてみてください。ブラウザが最強のエディタに変わりますよ!


詳細情報セクション

項目 内容
機能名 document.designMode
分類 DOM API プロパティ
対応ブラウザ Chrome, Firefox, Safari, Edge 等の主要モダンブラウザ
デフォルト値 'off'
設定値 'on' (編集可) / 'off' (編集不可)
公式ドキュメント MDN Web Docs: document.designMode

注意: この機能はローカルのブラウザ上での表示を変更するだけであり、サーバー上の実際のデータや他人の表示には一切影響を与えません。安心していじり倒してください。