「子供が生まれた瞬間に、国から 1,000 ドルの投資資金がプレゼントされる――」
そんな夢のような話が、アメリカで現実のものになろうとしています。
2026 年 7 月 4 日の独立記念日から、トランプ政権の目玉政策の一つである「One Big Beautiful Bill Act(OBBBA)」に基づく新しい貯蓄制度、通称「トランプ口座(正式名称:530A 口座)」の運用が始まります。
「日本のバラマキ給付金とは次元が違う」「株式市場を底上げする最強のツール」と期待されるこの制度。今回は、現時点で判明している最新のリサーチ情報を元に、トランプ口座の仕組みとメリット、そして将来的な影響を徹底解説します。

1. トランプ口座(530A 口座)の驚くべき仕組み
トランプ口座は、米国内国歳入法(IRC)に新設された「セクション 530A」に基づく、子供向けの非課税投資口座です。
主な特徴を以下の 4 つのポイントでまとめました。
① 政府からの「1,000 ドル」のプレゼント
2025 年 1 月 1 日から 2028 年 12 月 31 日までに生まれた米国の子供に対し、政府が一律 1,000 ドル(約 15 万円)を初期費用として口座に振り込みます。これが「シードマネー(種銭)」となり、複利の力で 18 年以上の歳月をかけて育てられます。
② 年間 5,000 ドルまでの積み立てが可能
親、祖父母、親戚、さらには雇用主も、子供一人につき年間最大 5,000 ドルまで非課税で積み立てることができます。特に雇用主が従業員の子供のために拠出する場合、年間 2,500 ドルまでは無税で拠出できるため、福利厚生としての普及も期待されています。
③ 投資先は「米国株インデックス(S&P 500 等)」に限定
これが日本との大きな違いです。この口座のお金は、銀行に眠らせておくことはできません。 「S&P 500」や米国の主要な株価指数に連動する low-cost なインデックスファンド(ETF)への投資が義務付けられています。「国が国民を強制的に投資家にする」という、非常に踏み込んだ政策です。
④ 原則 18 歳まで「引き出し不可」
一度入れたお金は、子供が 18 歳になるまで原則として引き出せません。これにより、暴落時に慌てて売ってしまう「狼狽売り」を防ぎ、確実に資産を成長させる仕組みになっています。
2. 投資家にとっての「巨大な追い風」
この制度は、単に「子供にお金をあげる」だけの話ではありません。S&P 500 などの米国株をすでに持っている投資家にとっても、非常に強力なメリットがあります。
- 強制的な「買い」の発生: 毎年、数百万人の子供たちのために、数兆円規模の資金が自動的に S&P 500 へ流れ込みます。これが市場の強力な買い支えとなり、中長期的な株価の上昇に寄与します。
- 安定性の向上: 18 年間「売ることができない」資金が増えるため、市場全体のパニック売りが起きにくくなり、ボラティリティ(価格変動)が抑えられると期待されています。
3. 【図解】トランプ口座の資産形成シミュレーション
もし、政府の 1,000 ドルに加えて、親が毎月 50 ドル(年間 600 ドル)を積み立てた場合、18 年後の資産はどうなるでしょうか?(年利平均 7%と仮定)
- 1,000 ドルの 18 年後: 約 3,380 ドル
- 月 50 ドルの積立(18 年間): 約 20,000 ドル
- 合計: 約 23,380 ドル(約 350 万円)
もし満額の 5,000 ドルを毎年積み立てた場合、18 年後には15 万ドル(2,000 万円超)という、大学費用や起業資金に十分すぎるほどの資産が形成される計算になります。

4. 知っておくべき「注意点」と「課題」
メリットばかりに見えるトランプ口座ですが、詳細を調べるといくつかの懸念点も浮かび上がってきました。
⚠️ IRS Form 709(贈与税申告)の壁
現時点での規定では、この口座への拠出は「年間の贈与税除外額(Annual Exclusion)」の対象にならない可能性が高いとされています。つまり、たとえ少額の積立であっても、拠出するたびに申告書類を提出しなければならない手間が発生します。
⚠️ インフレとドルの価値
国が莫大なシードマネーを配ることは、財政赤字の拡大とインフレを招くリスクがあります。将来、口座残高が増えていても、物価がそれ以上に上がっていたら、実質的な購買力は目減りしてしまいます。
5. 日本の私たちができること
残念ながら、日本に住む日本人が直接「530A 口座」を開設することはできません。しかし、この制度がもたらす「米国株の長期的な成長」の波に乗ることは誰でも可能です。
「新 NISA(つみたて投資枠)」で S&P 500 を積み立てることは、トランプ口座の運用モデルに最も近い投資方法です。むしろ、日本の方が「いつでも引き出せる」という自由度がある分、使い勝手が良いとも言えます。

トランプ口座(530A)詳細情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 530A Account (Internal Revenue Code Section 530A) |
| 根拠法 | One Big Beautiful Bill Act (OBBBA) |
| 政府初期拠出 | 1,000 ドル (2025-2028 年生まれの米国市民) |
| 年間拠出上限 | 5,000 ドル (個人・雇用主合計) |
| 運用対象 | 米国株インデックス(S&P 500 等)限定 |
| 引出開始年齢 | 18 歳 (教育・住宅・起業などは非課税) |
| 公式情報 | trumpaccounts.gov |
まとめ:資産形成の「新しいスタンダード」
トランプ口座は、単なる政治的なパフォーマンスではなく、国家として「投資の力で国民を豊かにする」という明確な意志表示です。
18 年後、この制度で育った若者たちが多額の軍資金を持って社会に出てくる時代がやってきます。私たちもその変化を敏感に察知し、賢く資産を育てていきましょう。